イーサリアムのレールを走るトークン化資産の列車、光るブロックで構成された3Dアイソメトリックアート、紫青背景
著者 Francesco Campisi プロフィール画像 Francesco Campisi
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ETHは1,800ドルで停滞、だが機関投資家はイーサリアムを基盤に選ぶ

ETHは1,800ドル前後で低迷するが、イーサリアム上では13億ドル規模のトークン化ファンドなど機関投資家の実験が急増している。価格と基盤が乖離する理由を解説。

2026年のイーサリアムを象徴するパラドックスがある。ETHのトークン価格はおよそ1,800ドル前後で低迷し。過去最高値からは大きく離れたまま推移している。それでも、まさにその同じネットワーク上で、未来の金融インフラが着々と建設されている。

率直に言えば、イーサリアムはもはや「価格への賭け」ではなく「レール」になった。レールとは光らないものだ。だが、すべての列車はその上を走る。

失望させる価格推移

まず事実から確認しよう。ETHは現在1,800ドル前後で取引されており、CoinGeckoのデータでは6月末に年間最安値の1,510ドルを記録した。2025年に記録した約5,000ドルの水準からは、依然として大幅に下方に位置する。荒れた一年だった。ETFへの資金フローは不安定で、テクニカル面でのモメンタムは弱く、シティグループは向こう12カ月の目標株価を3,175ドルから2,240ドルへと引き下げた、とBloombergが報じている。

チャートだけを見れば暗い話だ。ただし、チャートはここでは最も重要な要素ではない。投機家が離れる一方で、世界最大級の機関投資家がひそかに参入しているからだ。

ネットワーク上で構築されるもの

7月16日、イーサリアム上で円建てステーブルコインを用いた即時決済を行う13億ドル規模のファンドのトークン化パイロットが開始された。これは孤立した事例ではない。時価総額2,300億ドル規模の日本の総合金融グループであるSBIホールディングスも同ネットワークを活用しており、機関投資家向けの取り組みが次々と増えている。7月にはEthLabsが設立され、銀行や資産運用会社をエコシステムへ導くための専門的な支援を開始した。

構図は明確だ。銀行がファンドをトークン化したいとき、大手企業がステーブルコインで決済したいとき、資産運用会社がリアルワールドアセット(RWA)をオンチェーンに持ち込みたいとき、選ばれるネットワークはほぼ常にイーサリアムだ。流行だからではない。流動性が最も厚く、セキュリティの実績が最も長く、構築できるツールが最も多い。トークン化された金融はそのレールを選んだ。そのレールとは、イーサリアムにほかならない。

価格がまだ反映しない理由

言い換えると、正直な疑問がある。これほど多くのものがイーサリアム上で構築されているのに、なぜトークン価格は上がらないのか。これはXRPやSolanaにも共通する答えであり、率直に言わなければならない。ネットワーク上の活動は自動的にトークンへの需要には転換しない。銀行がイーサリアム上でファンドをトークン化したとしても、ETHを購入する義務はなく、そこで生み出される価値がそのまま価格に反映されるメカニズムは存在しない。

マクロ環境の弱さと、ようやく安定しつつある資金フローも価格を抑制してきた要因だ。ただし、変化の兆しもある。ETHスポットETFは8週連続の資金流出の後、直近の週に8,400万ドルの純流入を記録し、初めてプラスに転じた。さらに重要なのはステーキングだ。ETHをステーキングすることで価格変動とは独立した利回りを得られるため、相場下落に対してより鈍感な持続的需要が生まれる。緩やかな価格下支えではあるが、確かに下支えとして機能している。

不足する触媒

ネットワークの勝利とトークンの停滞をつなぐ橋には、名前がある。ステーキング付きETFだ。ETHを保有するだけのETFと、そのETHをステーキングして利回りを投資家に還元するETFとは、まったく別物だ。後者はイーサリアムを「受動的なエクスポージャー」から「利息を生む資産」へと変換する。機関投資家がネットワークを使うだけでなく、トークンそのものを購入する具体的な動機になり得る商品だ。

そのような橋が完成すれば。ファンダメンタルズと価格の乖離は縮まり始めるかもしれない。ただし、これはあくまで期待されている触媒であって、確定した未来ではない。そしてイーサリアムはこれまでも、好材料がゆっくりと成熟することを何度も示してきた。

より大きな視点

2026年のイーサリアムへの投資は「価格が最高値に戻る」という賭けではない。もっと深く、もっと微妙な問いだ。DTCCの動向や各種機関投資家のパイロットが示すように、世界の金融が本格的にオンチェーンへ移行しているなら、その列車が走るレールを保有することには、いつかは必ず価値が生まれる。

トークン価格は数カ月単位で遅れることがある。価格とネットワークは異なる時計で動いている。しかし長期的な視点を持つ投資家が問うべき本質的な問いはただ一つだ。イーサリアム上に構築されたインフラが、そのレール自体の価格をもはや無視できないほど巨大かつ収益性の高いものになるのはいつか。その答えは今日のチャートの中にはない。答えは、静かにレールを敷き続けている機関投資家たちの列の中にある。本稿は金融アドバイスではなく、現在の建設の流れを示す分析だ。参照データはRWA.xyzおよびイーサリアム財団の公式ドキュメントで確認できる。

著者 Francesco Campisi プロフィール画像 Francesco Campisi
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イーサリアム フィンテック
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