Solana Alpenglowアップグレード:ファイナリティ150ミリ秒を実現するVotorとRotorの概念図
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Solana Alpenglow:トランザクション確定時間が150ミリ秒へ

Solana Alpenglowが、ファイナリティを12.8秒から150ミリ秒へと圧縮。VotorとRotorが既存のPoHとTowerBFTを完全置換し、ブロックスペースの75%を解放する——2020年の誕生以来、最大のプロトコル変更の全貌。

2026年4月時点で、Solanaコミュニティが数ヶ月間待ち望んでいたアップグレードが正式に姿を現した。その名は「Alpenglow」。2020年のネットワーク誕生以来、最大のコンセンサスプロトコル変更であり、段階的な改善ではなく、基盤コンポーネントの完全な置き換えだ。

Alpenglowとは何か:Proof-of-HistoryとTowerBFTの終焉

Alpenglowはガバナンス文書SIMD-0326で定義され、Proof-of-History(PoH)とTowerBFTを完全に置き換える2つの新コンポーネントを導入する。

Votorは、現行の32ラウンド確認プロセスを1〜2ラウンドに圧縮する新しい投票システムだ。バリデータのステーク80%がアクティブな場合、確定は1ラウンド(約100ms)で完了する。60%の場合は2ラウンド(約150ms)。どちらのシナリオも、一時的な確認チェーンを必要としない。

Rotorは、Turbineに代わる新しいブロック伝播レイヤーだ。ステーク加重リレーとイレイジャーコーディングを使用して帯域幅のボトルネックを解消する。シミュレーションでは、ブロック伝播が約18ミリ秒で完了している。

Solana共同創業者のAnatoly Yakovenkoは、Alpenglowをネットワーク史上最も重要なアーキテクチャ変更と位置付けている。

なぜ現行システムを置き換えるのか

TowerBFTは確定に32層の投票を必要とし、各層でコミットメント時間が倍増する設計だった。その結果が現行の12.8秒というファイナリティだ。これは実装上の問題ではなく、アーキテクチャ上の限界だった。

YakovenkoによるPoHは、バリデータが各オペレーションで検証する必要のある暗号タイムスタンプシステムであり、計算オーバーヘッドを生み出していた。最適化すべきパラメータの問題ではなく、プロトコルの根本的な設計がこれらの制約を課していた。だからこそ解決策はパッチではなく、置き換えなのだ。

このアップグレードはオンチェーンのvoteトランザクション——バリデータがブロックチェーン上に投票を記録するトランザクション——も廃止する。これにより、現在コンセンサスインフラが占有しているブロックスペースの約75%が解放され、ユーザーとアプリケーションに返還される。

ガバナンス投票とメインネットへのロードマップ

2025年9月、SolanaのガバナンスはAlpenglowを承認した。賛成票98.27%、総ステークの52%が参加という結果だ。分散型プロトコルでこれほどのコンセンサスが得られることは稀であり、特にクォーラム達成が困難な場面では顕著だ。

Agaveクライアントを担当するAnzaチームが実装を主導している。Jump CryptoはC/C++で書かれた独自クライアントFiredancerで協力し、マルチクライアントの互換性を確保している。2つのクライアントが本番稼働するSolanaは、単一障害点を持つネットワークよりも堅牢だ。

現在のタイムラインでは、2026年Q3にAgave 4.1でのリリース、Q4にテストとセキュリティ監査、そして2026年末までにメインネット有効化が予定されている。2026年4月時点では、AlpenglowはAgaveのmasterブランチでプライベートクラスタのテストに利用可能だが、本番クラスタにはまだ展開されていない。

"Alpenglow isn't just a protocol upgrade. It is the clearest line between Solana's bandwidth and latency performance."

主要な機関バリデータオペレーターであるFigmentはこう述べており、機関投資家目線での重要性を強調している。

Alpenglowが開く実用的な可能性

150msのファイナリティにより、SolanaはGoogle検索やVisaによる決済と同等の応答時間に近づく。これは日本の金融庁(FSA)が注視するステーブルコイン決済や、bitFlyer・Coincheck・SBI VC Tradeなど国内取引所が提供するサービスにとっても無視できない変化だ。

12.8秒では実現不可能だったユースケースが現実味を帯びる:

  • DEXでのリアルタイム取引とオンチェーンの高頻度取引
  • 平均手数料$0.003と組み合わせた即時クロスボーダー送金(海外送金のユースケース)
  • ブロックチェーン上でのマルチプレイヤーアプリ、ライブオークション、リアルタイムデータストリーム

日本では、雑所得として最大55%の税率が適用される暗号資産への関心において、ネットワークの信頼性とスループットは投資判断の重要な要素だ。Alpenglowによるブロックスペースの75%解放は、手数料の安定化にも直結する。

ステーブルコイン決済、トークン化トレジャリー、クロスボーダー転送でSolanaを検討している機関にとって、サブ秒の決定論的ファイナリティは従来の決済システムとのギャップを埋める。Ethereum他のL1との比較も、Alpenglow後には書き直しが必要になるだろう。

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