EU旗と公式シールを持つ認可済み暗号資産取引所とブロックされた取引所が並ぶチェックポイント。MiCA CASP 2026
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著者 Francesco Campisi プロフィール画像 Francesco Campisi
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MiCA認可取引所リスト:2026年7月時点のCASP14社

2026年7月1日時点でMiCA認可を受けた取引プラットフォームは14社のみ。ESMAのCASPレジストリで認可国とともに確認できる最新リストを解説。

2026年7月1日の期限を目前に、EU全体でMiCAのもと取引プラットフォームとして認可を受けた暗号資産取引所はわずか14社にとどまる。ESMAのCASPレジスターには約210件の完全認可(カストディアンやブローカーを含む)が登録されているが、本格的な取引プラットフォームを運営できる事業者はそのうちのごく一部だ。本記事では最新リストを、注目のイタリア発の動向とあわせて解説する。

2026年7月1日:猶予なしの期限

ESMAが4月17日に改めて確認したとおり、この期限に延長はない。1か国で取得した認可は欧州パスポート制度により、EU全域で有効となる仕組みだ。

認可なしで事業を継続する事業者には、最大1,500万ユーロまたは年間売上高の12.5%相当の制裁が科されるリスクがある。フランス規制当局AMFが未認可企業に対して実施した規制強化は、この圧力が絵に描いた餅ではないことを示している。日本の暗号資産交換業者登録制度と同様、MiCAもまた「まず登録、それから営業」を原則とする。

認可を受けた14の取引プラットフォーム

実は、以下は、取引プラットフォームとして正式に認可された取引所の一覧と、ライセンスを付与した国の規制当局だ。このうちBitvavは最初期に承認を取得した事業者のひとつである。

  • Coinbase:ルクセンブルク(CSSF)
  • Kraken:アイルランド(CBI)
  • Bitstamp:ルクセンブルク(CSSF)
  • Bitvavo:オランダ(AFM)
  • OKX:マルタ(MFSA)
  • Crypto.com:マルタ(MFSA)
  • Gate.io EU:マルタ(MFSA)
  • Bitpanda:ドイツ(BaFin)およびオーストリア(FMA)
  • Bybit EU:オーストリア(FMA)
  • WhiteBIT EU:オーストリア(FMA)
  • eToro:キプロス(CySEC)
  • Revolut:キプロス(CySEC)
  • One Trading:EU認可(ESMAレジスター掲載)
  • Bullish EU:EU認可(ESMAレジスター掲載)

ESMAのCASPレジスターは毎週更新されるため、最新情報は直接確認することを勧める。なお、FSA(金融庁)管轄下の日本の暗号資産交換業者がEUで事業展開する場合は、MiCAに基づく別途ライセンス取得が必要となる点も押さえておきたい。

ライセンスの地理的集中

むしろ認可の地理的分布には偏りがある。ESMAおよびMiCA SCANのレジスターデータによると、2026年6月時点で約210のCASP認可のうち、ドイツが約25%を占め首位に立ち、オランダ(約12%)が続く。フランスとマルタはそれぞれ約6%、イタリアは約2%、スペインは約1%にとどまり、残り約48%をその他EU加盟国が占める。

国別CASP認可件数の割合

出典:ESMAのCASPレジスターおよびMiCA SCAN、2026年6月時点の約210件(概算値)

  • ドイツ:25%
  • オランダ:12%
  • フランス:6%
  • マルタ:6%
  • イタリア:2%
  • スペイン:1%
  • その他EU加盟国:48%

大国以外にも注目すべき動きがある。リヒテンシュタインはEEA加盟国として欧州市場への入口となっており、同国のFMAはスイス系グループの欧州法人Bitcoin Suisse(Europeに対し、機関投資家およびハイ・ネット・ワース顧客向けのトレーディング、カストディ、ステーキングを対象としたCASP認可を付与している。

ギリギリで間に合ったイタリア勢

最も注目すべき動きはイタリア発だ。期限当日に飛び込んできたニュースである。トリノ拠点の取引所Young Platformは、資産運用大手アジムートが出資し、顧客数250万人超を持つ。Consob(イタリア証券取引委員会)から、MiCARが定める10サービスのうち8つのサービスに関するCASP認可を取得した。カストディから取引所機能、注文執行、ポートフォリオ管理、新規トークンの募集まで、国内市場で最も広いサービス範囲のひとつを誇る。

同じくイタリアから、ヴェネト州パドヴァを拠点とするCryptosmartもConsobの2024年第24047号決定(2024年6月24日付)により完全ライセンスを取得した。Banca Popolare di Cortonaが出資している。これらに加え、CheckSigやConioといったカストディ事業者、さらにBanca Sellaも通知ベースのカストディライセンスを取得済みだ。YouHodler Italyなどは依然として認可待ちの状態にある。Young Platformの共同創業者であるAlexandru Stefan GhebanとAndrea Ferreroにとって、今回の認可は顧客保護を中心に築いてきた事業の集大成であり、欧州パスポートによりEU域外への展開も視野に入る。最新の認可状況はConsobのCASPページで確認できる。

認可から外れた事業者

審査を通過できなかった事業者も少なくない。KuCoinはオーストリア当局により2月に排除された。Geminiは4月にEU市場から撤退。Binanceについては状況が流動的で、ギリシャでの申請取り下げとEU市場からの撤退を示す最新情報がある。過去に認可取得の報道もあったが、現時点ではレジスターでの確認が不可欠だ。

ステーブルコインについても重要な点がある。TetherのUSDTはMiCA非準拠とみなされており、規制対象プラットフォームではデリスト済みで、せいぜいカストディのみで保有できる状態だ。MiCA準拠の選択肢はCircleのUSDCとEURCである。日本のJVCEA(日本暗号資産取引業協会)加盟取引所でも、取り扱いステーブルコインの規制整合性は年々厳しく問われており、EU規制の動向は無関係ではない。

利用プラットフォームの確認方法

  • ESMAのCASPレジスターで取引所名を検索する。
  • 実際にサービスを受けている法人エンティティが、認可を取得したエンティティと一致しているか確認する。
  • 利用中のプラットフォームがリストに掲載されていない場合は、期限の直前に焦って判断するのではなく、余裕をもって資産移動を検討する。

7月以降に形成される市場は、規模が小さくなり、より集約されたものになる。事業者数は減り、共通ルールのもとでの競争が始まる。自分が使うプラットフォームはリストに載っているか。それが今、ユーザーに問われている唯一の質問だ。FSA(金融庁)も国際的な規制動向を注視しており、MiCA施行後のEU市場の変容は、将来の日本国内規制見直しにも影響を与える可能性がある。

本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。認可状況は毎週変わることがあります。ESMAの公式レジスターで必ず最新情報を確認してください。

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規制 ヨーロッパ
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