手がAIサブネットを表す発光球をポートフォリオのように選択、BittensorのTAOネットワーク
  • ホーム
  • AI
  • Bittensor Root Reborn: バリデーターがファンドマネージャーへ変わる
著者 Hamza Ahmed プロフィール画像 Hamza Ahmed
2 min read

Bittensor Root Reborn: バリデーターがファンドマネージャーへ変わる

Bittensor Root Rebornは検証人をファンドマネージャーへ転換し、1日7,200 TAO超の配分構造を刷新する提案だ。サブネットへの売り圧力解消が焦点となる。

水曜日にGitHubへアップロードされた一行のコードが、分散型AIネットワークBittensorとトークンTAOの経済構造を変えるかもしれない。提案の名称はRoot Reborn。“unconst”という開発者ハンドルを持つ人物が提出し、バリデーターをファンドマネージャーに近い役割へと転換することを目指している。

テストネット上の提案がなぜ注目されるのか。Bittensorは現在、CoinGeckoのデータによると一日あたり約7,200 TAOを発行しており、現在の価格水準で180万ドル相当を超える。その資金をどこへ向けるかを決める仕組みを変える提案だからだ。

Bittensorの現在の仕組みとRoot Rebornが変えること

Bittensorは言語モデルの学習から画像生成まで、異なるAIタスクを担う多数のサブネットで構成される。各サブネットには独自の“アルファ”トークンがある。ルートレイヤーにTAOをステーキングすると報酬が得られるが、現状のネットワークはサブネットのアルファトークンを自動売却してTAOに換算する仕組みだ。結果としてサブネット基盤資産に継続的な売り圧力がかかり、価格が抑制される。

Root Rebornはこの構造を逆転させる。各バリデーターが支持するサブネットのバスケットを自ら選択する。ファンドマネージャーがポートフォリオ銘柄を選ぶのと同じ発想だ。これまで清算されていた報酬は選んだサブネットへ再投資され、時間をかけて複利で価値を積み上げ、ステーク形式でバリデーターに還元される。ステーカーは引き続き報酬を受け取り、任意のタイミングでTAOに換金できる。

具体的に変わる点は次のとおりだ。

  • サブネットへの継続的な売り圧力が純買いへ転換し、価格を下支えする。
  • バリデーターが単なる報酬の通過点から能動的なキュレーターへと変わる。
  • 優良と判断されたサブネットには新規資本が流入し、質の低いサブネットは選ばれなくなる。

Dynamic TAO以降、再びの構造改革

Bittensorがルールを書き換えるのは初めてではない。2025年2月に導入されたDynamic TAO(dTAO)は、バリデーター委員会が発行量の配分権を独占していた構造を変えた。各サブネットにアルファトークンと流動性プールが設けられ、市場価格が配分量を決める仕組みになった。詳細はプロジェクト公式ドキュメントに記されている。Root Rebornはその上に、市場の自動化を超えた人間の判断という層を加えるものだ。

分散型AIはすでにナラティブを超えた段階にある。arXiv 2507.02951で発表された独立した実証分析はネットワークの資本集中度とフローを測定しており、TemplarサブネットのようなプロジェクトはパラメーターD数百億規模のモデルを完全分散型で学習させた実績を持つ。AIと分散型台帳の融合という文脈は、日本の金融庁(FSA)がAIエージェントと暗号資産の組み合わせをどう規制するかという論点とも重なる。

ブロックごとに実際に誰が稼ぐのか

言い換えると、なぜこの提案がメインネットに届く前から議論を呼んでいるかは、TAO発行構造を見れば分かる。arXiv 2507.02951の実証分析とBittensor公式ドキュメントによると。ブロックごとの発行量のほぼ半分がバリデーターに渡る。Root Rebornはそのバリデーターを単なる報酬受取人から資本配分者へ変えようとしており、それがこれほど早く議論を呼ぶ理由だ。

ブロックごとのTAO発行配分

出典: arXiv 2507.02951 実証分析およびBittensor公式ドキュメント

  • AIマイナー 41%
  • バリデーター 41%
  • サブネット作成者 18%

慎重さは依然として求められる。Root Rebornは現時点でテストネット上のコードに過ぎず、初期の自動レビューですでに二つの重大な問題が指摘されている。大量データ処理時にアップデートパスが詰まる可能性と、ステーカーに不利益をもたらしかねない支払いパスの問題だ。それでもこの提案が示す方向性は、分散型AIの枠を超えた問いを含んでいる。AIインフラ競争が加速する今、すべてのネットワークは誰が資本を配分し、どんな基準で行うかを問われている。純粋な市場メカニズムか、人間の判断か。Bittensorは両方を組み合わせようとしている。日本のTAO投資家にとっては、bitFlyerやSBI VCトレードでのTAO取扱い動向と、金融庁によるAIエージェント型トークンへの規制姿勢が今後の注視点となる。Root Rebornが機能するなら、バリデーター兼ファンドマネージャーというモデルは一つのネットワークに留まらないだろう。

著者 Hamza Ahmed プロフィール画像 Hamza Ahmed
更新日:
AI ウェブスリー
Consent Preferences