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Web3時代のマーケティング、エアドロップという新常識

エアドロップは2014年に始まり、2018年以降広く普及した、トークン配布を軸としたマーケティング手法だ。

更新 22 8月 2026 6 min read 編集方針

優れた起業家になる方法を知っているだろうか。

正直なところ、間違った答えは数え切れないほどある。

ある不可欠な資質がなければ、起業家にはなれても、長く続くものを生み出せる起業家にはなれない。

その資質とはビジョンのことだ。 

単刀直入に言えば、ビジョンとは水晶玉を覗き込むように未来を見通す力のことだ。伝説的なブランドを生み出した本物の起業家たちは、まさにそれを実践してきた。

そして今日のスタートアップの創業者たち、特に暗号資産の世界に賭ける人々は、それをよく理解しているようだ。

彼らは単純に、Web3が未来への通過点であることを嗅ぎ取り、最初から自社のビジネスをその方向へ向けているのだ。

実際ここ数年、スタートアップはWeb3に特化したある興味深いマーケティング手法を使い始めている。それがエアドロップだ。

それは一体何なのか。答えはシンプルで、革新的かつ創造的で、価値を生み出す手法だ。 

もっと詳しく知りたいなら、このまま読み進めてほしい。

エアドロップとは何か

暗号資産の世界に不慣れなiPhoneユーザーは首をかしげるかもしれないが、エアドロップはApple端末間でファイルを共有する機能とは関係ない。

エアドロップは2014年に始まり、2018年以降広く普及した、広い意味ではマーケティング手法でもあるトークン配布の技術だ。エアドロップを通じて、暗号資産やテクノロジー分野のスタートアップは、トークンやNFT、その他のデジタル資産を特定のユーザー層に無償で配布する。目的はプロジェクトの認知度向上、利用促進、そしてコミュニティの構築だ。 

とはいえ、世の中に無料のものなど存在しないはずだ。

実際、報酬を受け取るには、通常エアドロップを運営するプラットフォーム上で何らかのタスクをこなす必要がある。Telegramチャンネルへの登録やXの特定アカウントのフォローといった、より簡単な行動を求められることもある。

それにしても、良心的な対価と言えるだろう。では企業側は一体何を得るのか。

いくつかの数字を見れば、その答えがよくわかるはずだ。

エアドロップに参加すべき理由

時計の針を2020年に戻そう。誰もがコロナ禍とロックダウンで記憶するこの年だが、当時Uniswapのプラットフォームを利用していた人を除けば、Uniswapのエアドロップを覚えている人はほとんどいない。

実際、2020年9月1日までにUniswapに流動性を預けたり、複雑な取引を行ったりしたユーザーは、その分に応じたUNI(トークン)を受け取ることができた。 

配布当時、400UNIの価値は1,200ドルだったが、その後数カ月で10倍(計算が苦手な人のために言えば12,000ドル)にまで膨れ上がった。

参加者は約25万人にのぼる。

2021年にはEthereum Name Serviceが配布を開始した。対象となったのは.ethドメインを取得したユーザーで、利用度合いに応じて200から1000トークン程度が配布された。 

配布当時、ENSトークンは85ドルの価値をつけ、参加者には最大1万7000ドル相当の報酬がもたらされた。エアドロップ直後、ENSの時価総額は10億ドルを超えるまでに達した。

対象となったユーザーは約13万7000人だ。

ここまで読めば、ユーザー側のメリット、特に経済的な見返りについては十分理解できたはずだ。

一方で企業側が手に入れるのは、事業の根幹を支える最も重要な資産のひとつ、認知度である。

エアドロップの構造、その中身とは

すべてのエアドロップが成功するわけではない、それははっきりさせておきたい。プロジェクトが途中で頓挫することもあれば、配布後にトークンがダンピング、つまりユーザーが受け取ったトークンを配布直後に一斉に売却する事態に見舞われることもある。 

トレードの世界では、全員が一斉に売却する状況は良い兆候とは言えない(価格が暴落するからだ)。

しかし、優れたポテンシャルを持つスタートアップが手がける本格的なエアドロップであれば、次のようなステップを踏むはずだ。

  1. エアドロップの目的を定める、効果的なエアドロップを実施する第一歩は、目的を明確にすることだ。新規ユーザーの獲得を狙うのか、既存ユーザーの活性化を狙うのか。
  2. 対象ユーザーの選定、この段階では、各ユーザーの利用実績、特定資産の保有状況、あるいは単にあるプラットフォームへの登録の有無をもとに、誰にトークンを配布するかを決める。
  3. 参加ルールを定める、ユーザーがトークンを受け取るために何をすべきか、疑問の余地がないよう具体的に示す。
  4. 配布するトークンの数量と価値を決める、参加者ごとに一律にするか、変動制にするかを選ぶ。
  5. 技術基盤を整備する、エアドロップに耐えられる安定したインフラを用意する必要がある。
  6. 広報・プロモーション計画を立てる、使用するチャネルを決め、配布イベントを盛り上げるためにコンテンツクリエイターインフルエンサーとの協力も検討する。
  7. エアドロップを実施する、すべてのユーザーにとってわかりやすい手順に沿って進める必要がある。
  8. 配布後のモニタリングとエンゲージメント維持、コミュニティの活性化を保ちながらフィードバックを集め、プラットフォームや配布したトークンの機能を継続的に改善していくことを意味する。
  9. ダンピングを防ぐ、すでに触れた通り、ユーザーが配布直後にトークンを一斉売却し、価格が下落する事態を防ぐことが重要だ。この観点ではベスティング期間を設けたり、ガバナンスやプラットフォーム利用の目的でトークンの活用を促したりする方法が効果的だろう。

ここまでの内容が単なる理論で終わらないよう、この記事の最後では、今もっとも注目すべきエアドロップをいくつか紹介する。

だがその前に、もう少し説明させてほしい。

エアドロップのマーケティングがずば抜けて効果的な理由

その理由は数多くある。

中でも重要なのが、あらゆるブランドが最優先すべき要素、コミュニティだ。 

今日価値あるブランドの周りには、必ずその理念を信じ、進んでお金を使ってでもブランドの代弁者になろうとする活発なコミュニティが存在する。

実際、エアドロップは新規ユーザーを引き寄せ、プロジェクトの周りに活発なコミュニティを作り出すうえで非常に効果的だ。無償での配布によって、企業はユーザーがエコシステムの一員になることを後押しできる。 

理由はシンプルだが非常に強力だ。ユーザーはプロジェクトの積極的な参加者になったと感じることで報われ、さらに将来的な経済的利益という展望も得られる。

もうひとつ、決して軽視できない要素が拡散力だ。

今日、有名になるにはバズることが不可欠だと考えられている。この考えに賛否はあるとしても、1日で数百万人のユーザーに届くことが大きな後押しになるのは確かだ。

そのために、RedditやTelegram、Xといったチャネルほど適した手段はないだろう。エアドロップは、受け取ったトークンについての体験や意見が口コミで広がることで、自然にSNS上での認知を生み出す。 

まさにこの自然発生的な拡散力こそが、莫大なマーケティング投資こそが成功の鍵だと信じる人々に、ひとつの教訓を示している。

エアドロップ対従来型マーケティング

マーベルが「アベンジャーズ/エンドゲーム」のマーケティングキャンペーンにいくら投じたか、想像がつくだろうか。

3800万ドル前後だと思うだろうか。

もし5000万ドル以下だと思っているなら、大きく外れている。1億ドル以下だと思っていても、まだ足りない。

実際マーベルは、同社を代表する大作映画のマーケティングキャンペーンに2億ドル以上を投じている。

シャネルNo.5も同様で、2004年にニコール・キッドマンを起用し、わずか3分の短編映像の制作に3300万ドル以上を費やした。

ほぼ無制限の予算を持つ大企業だからこそ、史上最も高額なマーケティングキャンペーンを次々と生み出せるのだ。

スタートアップにそんな真似ができるはずもない。

だからこそ、これからのマーケティングは、製品が実際にローンチされるその前からコミュニティを作り上げ、狙ったターゲットに直接アプローチし、ユーザーが感じる価値を大きく高めることを軸に展開されていくはずだ。

求む、成功するエアドロップ

約束した通り、ここからは今もっとも注目のエアドロップを紹介しよう。

ここまで読んでわかる通り、エアドロップは単なる強力なマーケティング手法にとどまらない。事業の将来価値を共有し、広めていける本当の意味で大きなコミュニティを築ける手段でもある。

もちろん、エアドロップに参加するうえでの障壁のひとつは知識、つまり暗号資産市場への理解だ。

だが、このサイトを読めば疑問はすべて解消できるはずだ。そうではないだろうか。

とはいえ、有望なエアドロップを嗅ぎ分けるのは簡単ではない。特に主要な情報が発信される各チャネルに精通していなければなおさらだ。 

そこで役立つのが、今もっとも期待されているエアドロップのリストだ。以下は本稿執筆時点でまだトークン配布が続いているプロジェクトである。

  • zkSync、取引コストを抑えながらEthereumのスケーラビリティを高めることを目指すzkロールアッププロトコルに関連する、注目度の高いエアドロップだ。参加するにはzkSyncプロトコルを利用する必要があり、例えば公式ブリッジ経由でETHやUSDCを送金する方法がある。エアドロップはまだ正式に確定していないが、プロトコルを利用しておくことで対象になる可能性が高まる。
  • LayerZeroブロックチェーン間の相互運用性を実現するこのプロトコルはすでに1億2000万ドルを調達しており、トークンZROのエアドロップが近く実施されると見られている。正式な確定はまだだが、プロトコルの利用やプラットフォームでの操作を行っておくことで対象になる可能性が高まる。
  • Starknet、Ethereum上でZKロールアップを基盤とするスケーラビリティソリューションだ。すでに大きな注目を集めており、今後大規模なエアドロップを実施する可能性がある。今のうちから注視しておく価値があるだろう。

さて、ここでまとめに入ろう。

ここまで読めば、エアドロップが低コストでありながら確実な効果を発揮するマスマーケティング手法であり、コミュニティに独自のエンゲージメントをもたらせることが理解できたはずだ。

一方で、配布したトークンの価値が急騰し大成功を収めたエアドロップがある一方、同じような結果を残せなかったエアドロップも少なくない。

さらに、構想から発行に至るまでの過程でさまざまな障害に直面し、実施にすら至らないエアドロップも存在する。

だが考えてみてほしい。映画会社が数億ドルを投じても、完成した作品が大コケに終わるリスクは常につきまとう。

私たちはすでに、ブロックチェーンが主役となるWeb3の時代を生きている。 

もしマーケティングとはSNSのフォロワーを少し増やすために大金を注ぎ込むことだと思っているなら、この記事をもう一度最初から読み返してみるべきかもしれない

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