Apple App Storeの偽Ledger LiveアプリでBTCを失ったG.Loveの事件を示すイラスト
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Riccardo Curatolo プロフィール画像 Riccardo Curatolo
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偽Ledgerアプリで5.9BTCを失ったG.Love:Apple App Storeの盲点

偽のLedger LiveアプリがApple Mac App Storeで流通し、G. Loveが5.92BTC(約42万ドル)を失った。ZachXBTが資金をKuCoinへ追跡。シードフレーズを画面で求めるアプリは即詐欺と判断せよ。

10年分のビットコイン貯蓄が、30秒で消えた。

G. Love & Special Sauceのフロントマン、ギャレット・ダットンは2026年4月11日に5.92BTCを失った。技術的な脆弱性でもなく、Ledgerのバグでもない。Apple Mac App Storeからダウンロードした偽アプリが原因だった。被害総額は約42万ドル(約6,200万円相当)に上る。

Apple App Storeの偽アプリ:何が起きたのか

G. Loveは新しいMacに移行する際、App Storeで「Ledger Live」を検索した。見つかったアプリは公式と見分けがつかないほど精巧に作られており、正規のアイコンとUIを備えていた。初回起動時、そのアプリはウォレット復元のためとしてシードフレーズ24語の入力を要求した。彼が入力した瞬間、攻撃者は全資産を掌握した。

G. Loveは自身のXアカウントで事実を公表した。

ZachXBTによる資金追跡とKuCoin問題

翌12日、オンチェーン調査者のZachXBTが資金の流れを追跡した。5.92BTCは9件の異なるトランザクションを経て、すべてKuCoinの入金アドレスに集約されていた。

「あなたの盗まれた5.92BTCを追跡した。すべて@kucoincomの入金アドレスを通じてロンダリングされていた。」— ZachXBT、2026年4月12日

資金回収の見通しは限りなく低い。KuCoinは2026年2月にオーストリアから取得したMiCAライセンスをわずか3ヶ月で失効させており、ZachXBTによれば不正サービスの温床となり続けているという。なお、日本では金融庁(FSA)の登録を受けていない無認可業者への送金リスクについて、JVCEA(日本暗号資産取引業協会)が繰り返し注意喚起を行っている。

Appleの審査体制と責任問題

問題のアプリはLedger SASではなくサードパーティ開発者名義で登録されていたにもかかわらず、App Storeの審査を通過していた。Appleはアプリ削除の確認も公式声明も出していない。ZachXBTはさらに踏み込み、Appleが事件の公的記録を妨害しようとしているとも述べた。

「Appleは自社App Storeに偽アプリが存在するという事実を、人々に記録させたくないようだ。」— ZachXBT、2026年4月12日

これは孤立した事例ではない。2023年にはMicrosoft Storeで偽Ledgerアプリが横行し、約60万ドルの被害が発生している。プラットフォームの審査義務という構造的問題が、繰り返し問われている。

日本の文脈でも、金融庁は2024年以降、公式ストアを通じた詐欺アプリ対策を強化するよう国内取引所に指導を強めている。しかし規制の網が及ばないアプリストア上のなりすましアプリは、依然として世界的な脅威だ。

ハードウェアウォレットとシードフレーズの鉄則

Ledgerは長年にわたり一貫したルールを周知している。Ledger Liveはledger.com経由でのみ入手すること。App StoreやGoogle Playには存在しない。シードフレーズは物理デバイス上でのみ入力し、アプリ・ブラウザ・PCの画面には絶対に入力しない。画面上でシードフレーズを求めるアプリは、すべて詐欺だ。例外はない。

Pudgy Penguinsのセキュリティ担当Beauも事件直後に警告を発した。どれほどプロフェッショナルなUIに見えても、インターネットに接続された状態で24語を要求するデバイスやアプリはすでに侵害されている、と。

  • シードフレーズは物理デバイス以外では絶対に入力しない
  • Ledger LiveはApp StoreやMac App Storeからダウンロードしない
  • ウォレット移行時は公式サイト(ledger.com)のみを参照する
  • 金融庁登録済みの国内取引所(bitFlyer、Coincheck、SBI VC Trade等)の公式案内に従う

日本の税制では暗号資産の損益は雑所得として最大55%課税される。5.92BTCという損失は、税務上の「盗難損失」認定も含め、非常に複雑な問題を引き起こす。被害を受けた場合は税理士への相談も検討すべきだろう。

今回の教訓:自分の資産は自分で守る

G. Love自身は事件後、珍しい誠実さでこう述べた。「注意が足りなかった自分のミスだ。でも警告として役立ててほしい。世の中には本当に多くの詐欺がある。」

2025年にはデジタル署名フィッシングによる被害が前年比207%増と報告されており、詐欺師たちの標的は技術的な脆弱性よりも人間の油断に移っている。ハードウェアウォレットを持っていても、ホットウォレットとコールドウォレットの違いを正確に理解していなければ意味がない。

今すぐ確認すべきことは一つだ。自分がLedger Liveをどこからダウンロードしたか、そしてシードフレーズをどこかに入力した覚えがないか。これが最初の問いかけになる。

Riccardo Curatolo プロフィール画像 Riccardo Curatolo
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