ビットコインが$73,000を割り込む:米PPIショックが市場を直撃
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ビットコインが$73,000を割り込む:米PPIショックが市場を直撃

米国2月PPIが予想を大幅に上回り、ビットコインが$73,000を割り込みました。卸売物価の前年比3.4%上昇がFedの利下げ計画に影を落とし、2026年の利下げシナリオが揺らいでいます。

ビットコインの上昇ラリーが急転直下、心理的節目である$73,000を下回りました。引き金となったのは、市場予想を大幅に上回った米国のインフレ指標で、連邦準備制度(Fed)の金利決定を目前に控えた金融市場全体に慎重ムードが広がっています。日本では金融庁(FSA)とJVCEAの規制下で暗号資産市場が整備されており、雑所得として最大55%の税率が課される国内投資家にとっても、米国の金融政策動向は直接的な影響を持つグローバルリスク要因として注視すべき局面です。

生産者物価指数(PPI)が予想を大幅に超過

米労働統計局(BLS)が本日公表した報告書によると、2月の生産者物価指数(PPI)は予想外の急騰を見せ、ウォール街のコンセンサスを大きく上回りました。この数値は即座に売り圧力を呼び込み、もともと慎重なムードが漂っていた暗号資産市場への下押し圧力をさらに強めました。

2月のヘッドラインPPIは前月比0.7%上昇と、コンセンサスの0.3%の2倍以上を記録しました。前年同月比では卸売物価の上昇率が3.4%に達し、予想の3.0%を上回り、2025年2月以来の最高水準となりました。

BTC価格推移:出典 TradingView

エネルギーと食品を除いたコアPPIも懸念材料となりました。コアPPIは前月比0.5%上昇と予想の0.3%を超過し、前年比では3.9%と予想3.7%を上回りました。上昇を主導したのは商品価格で、前月比1.1%増——食品・エネルギーコストの上昇が主な要因です。

今回のデータは、比較的穏やかだった2月の消費者物価指数(CPI)——前年比+2.4%——の発表後にリリースされており、一時的にリスク心理を支えていたCPIの楽観論と対照的な結果となっています。PPIの大幅超過は、川上段階のインフレ圧力がまだ完全に小売価格へ転嫁されていないことを示唆しており、今後のCPI数値を押し上げ、米中央銀行の政策判断をさらに難しくする可能性があります。

PPIショックはFedの利下げ計画を台無しにするか?

このデータが公表されたタイミングは特に重要です。連邦公開市場委員会(FOMC)がちょうど2日間の会合を締めくくろうとしているからです。金融政策に関する声明はニューヨーク時間午後2時に発表される予定で、ジェローム・パウエル議長の記者会見はその30分後の午後2時30分に予定されています。

利下げ確率:出典 CME FedWatch Tool

PPI公表前、CME FedWatchのデータはFedが政策金利を3.50%〜3.75%に据え置く確率を99%と示していました。本日の衝撃的な数値はこの見通しをさらに確固たるものにする一方、2026年中の金融緩和の窓口を狭めています。数週間前まで確実視されていた利下げシナリオは、今や大きく揺らいでいます。日本の暗号資産投資家にとっても、米国の高金利長期化はドル高・円安圧力を通じてビットコインの円建て価格に複合的に影響するため、パウエル発言の一言一句が重要です。

すべてのトレーダーの注目は、新たな経済見通し(Summary of Economic Projections)、とりわけFOMCメンバーの政策金利見通しを示す「ドット・プロット(dot plot)」に集まっています。

Fed ドット・プロット:出典 CME FedWatch Tool

2026年の利下げ予想回数が1回から0回に修正されるシナリオでは、暗号資産や成長株などリスク資産全般の売り局面が長引く可能性が高いでしょう。一方、2回の利下げ見通しが復活するサプライズがあれば、市場に大きな安堵をもたらすことが期待されます。

本稿執筆時点において、Bitcoin(BTC)の価格は$73,000を急落した後、$72,509近辺で推移しています。ボラティリティは依然として高く、bitFlyerやCoincheckなど国内取引所でも活発な売買が続くなか、トレーダーたちはパウエル発言を前にした荒れ相場に備えています。

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